研究内容

 感染症は熱帯・亜熱帯地域の人々の健康に対する最大の脅威である。分子感染防御学分野では、感染症を熱帯・亜熱帯地域の重要な生命現象ととらえ、その制御を目指す基盤的研究を推進している。特に、結核菌に代表される細胞内寄生性病原体の研究を中心に位置づけ、免疫担当細胞による病原体認識とシグナル伝達系活性化、およびその下流で産生される炎症性サイトカイン(interleukin (IL)-1、IL-17A/F、IL-33、各種ケモカインなど)の解析により、感染防御に重要な免疫系の制御機構の解明を目指している。一方、結核菌は複数の機能タンパク質(エフェクター)を産生して、宿主の自然免疫応答を攪乱することが知られているが、その作用機序は不明である。そこで、分子生物学的手法を駆使して、これらのエフェクター分子の標的となる宿主側タンパク質を同定し、作用機序を解明する研究を行っている。これら研究の成果は、肺結核に対して有効性の高い新規ワクチン戦略の開発ならびに結核菌の排除に有効な革新的治療方法の開発につながる重要な情報となる。

 当分野は、in vivo感染システムを用いた全国共同利用研究を推進しており、また大学院教育では大学院医学研究科生体防御学講座として大学院教育を担当し、免疫学と感染症学を専門とする生命科学研究者を育成している。

  • Fig. 1 マウス肺に恒常的に発現するIL-17F(緑)の共焦点レーザー顕微鏡画像  (X40)
    Fig. 1 マウス肺に恒常的に発現するIL-17F(緑)の共焦点レーザー顕微鏡画像  (X40)
  • Fig. 2 結核菌(Mtb)が分泌する病原因子(A, Z)による免疫応答の修飾
    Fig. 2 結核菌(Mtb)が分泌する病原因子(A, Z)による免疫応答の修飾
  • Fig. 3 従来のBCGワクチンによる末梢リンパ組織へのTh1細胞誘導に加え、経鼻ワクチンにより肺にIL-17産生T(Th17)細胞を誘導することにより、より強い抗結核防御免疫を肺に誘導する新規ワクチン戦略の提唱。
    Fig. 3 従来のBCGワクチンによる末梢リンパ組織へのTh1細胞誘導に加え、経鼻ワクチンにより肺にIL-17産生T(Th17)細胞を誘導することにより、より強い抗結核防御免疫を肺に誘導する新規ワクチン戦略の提唱。

メンバー

役職 氏名
教授 松﨑 吾朗
准教授 梅村 正幸
准教授 高江洲 義一
准教授(併任) 金野 俊洋

キーワード