研究内容

 マングローブは、全世界の熱帯·亜熱帯の海岸域に広がるマングローブ林を中心に構成される森林生態系で、様々な生態系サービスを提供している。一方、マングローブは土地改変の著しい海岸部に存在するため、急速に破壊され続けている。本研究分野では、マングローブの生態や保全に関する研究を中心に、以下のような多角的な視点からの研究を実施している。

○マングローブ植物の保全遺伝学的研究: マングローブ林の主要構成樹数種について、遺伝マーカーを用いた保全遺伝学的研究を実施している。ヤエヤマヒルギなどの広域分布種について、種内の遺伝構造の空間分布を明らかにし、保全のための基本情報を得た。また、絶滅危惧種のBruguiera hainesiiが雑種であることを明らかにした。

○マングローブ樹種の生理生態学的研究: マングローブ幼植物の湛水ストレス耐性能力、及び、概日時計による生理機能制御と生態的地位との関係に関する研究を行った。また次世代シーケンサーを活用し、世界の主要なマングローブ樹種の網羅的機能遺伝子発現プロファイルデータベースの作成を進めている。

○マングローブに関する国際共同研究: ミクロネシア連邦・ポンペイ島におけるマングローブ地下部生産・分解プロセスと立地環境研究への協力を行った。マレーシア・マレーシア・サバ州森林局と共同で、マングローブの荒廃の人的要因の解明や自然災害で荒廃地となったマングローブ林の再生促進、海岸侵食の軽減や防災に果たす役割の研究を行った(熱生研MOUに基づく国際研究)。ブラジル、メキシコ、フィリッピン、マレーシア、シンガポール、中国などの研究者と共同で、マングローブの保全遺伝学的研究のための、国際研究ネットワークによる研究活動を行った。

  • マングローブ植物の絶滅危惧種、Bruguiera hainesiiがオヒルギとB. cylindricaの雑種であることが分かった (Ono et al. 2016)。
    マングローブ植物の絶滅危惧種、Bruguiera hainesiiがオヒルギとB. cylindricaの雑種であることが分かった (Ono et al. 2016)。
  • マイクロサテライトマーカーで示された、マングローブ植物の広域分布種オヒルギの遺伝構造。
    マイクロサテライトマーカーで示された、マングローブ植物の広域分布種オヒルギの遺伝構造。
  • 実生の生育を左右する光環境を異なる波長域で長期モニタリング
    実生の生育を左右する光環境を異なる波長域で長期モニタリング
  • 海外のマングローブ調査では、木に登るだけではなく、泳ぐことも必要となる。現地ワーカーとのコミュニケーションが仕事の出来を左右する。
    海外のマングローブ調査では、木に登るだけではなく、泳ぐことも必要となる。現地ワーカーとのコミュニケーションが仕事の出来を左右する。

メンバー

役職 氏名
教授 梶田 忠
准教授 渡辺 信

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